国分寺市の日吉町にある小児科 よしむらこどもクリニック

よしむらこどもクリニック
ご予約・お問い合わせ042-321-2002

〒185-0032
東京都国分寺市日吉町3-15-22
日吉町クリニックビル2F

<感染症の迅速診断・町医者の悩み>

 医学が進歩して迅速診断が増えました。保育園に通園しているこどもが下痢をして「ノロウイルスかどうか病院で検査してもらいましたか?エッ、調べてもらっていないの?」と保護者が言われたという話があります。下痢の原因がノロとわかっても特効薬はありませんが、感染力が強いので、登園のめやすは「嘔吐・下痢などの症状が治まり、普段の食事がとれること」となり、1週間もかかることがあります。医師の間でも検査をするかしないか意見が分かれます。つまり、「特効薬がないノロの検査は医学的に無駄。」という意見と「他人への感染対策と病原体を説明するうえで検査をする。」という意見があります。

 インフルエンザでも医師が「お子さまは熱が38度になっていないし、周りにインフルエンザの人がいないのであればインフルエンザではないでしょう。」と話しても保護者は信用せず、「白黒つけてください。」と検査を希望し、陰性だと「よかった。これで保育園に行けます。」という時代になってしまいました。

 治療薬があるインフルエンザや溶連菌感染症はまだよいかも。でも溶連菌は何の症状がないこどもでも1割程度は菌を持っていると言われています。検査を行って陽性であっても溶連菌は付着しているものの悪さをしていない、つまり病気の原因でないことがあります。

 インフルエンザ、溶連菌の迅速検査は以前からありましたが、最近ではRSウイルス、マイコプラズマ、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどの迅速検査ができるようになりました。

 私も検査キットのメーカーに勧められてマイコプラズマ他の検査キットを購入しましたが、10本入りのセットなので、半数も検査しないうちに期限切れで廃棄しました。
 検査が普及していくと町医者にとっては悩ましい問題です(平成30年9月)。

TOP