国分寺市の日吉町にある小児科 よしむらこどもクリニック

よしむらこどもクリニック
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<予防接種の光と影>

 最近、予防接種を受けていない子供が散見されます。予防接種の副反応はゼロというわけではありませんが、現在実施されているワクチンは良い製品といえるでしょう。基本的な立場として私は予防接種を推奨しています。

 私は30年間、小児科勤務医でした。忘れられない子供たちが何人もいます。なかでも、麻疹脳炎から精神遅滞になった子供、百日咳で呼吸が止まり発達遅滞になった子供、いずれも予防接種を受けていませんでした。

 反対に、予防接種による健康被害も経験しました。痘瘡の予防接種である種痘による脳炎でした。戦後、国内で痘瘡の発生は無くなったにもかかわらず種痘を続けた結果、種痘後脳炎が数百人発生し、昭和47年に裁判となりました。当時、都立病院に勤務していた私は種痘による健康被害(寝たきり状態)に遭遇しました。

 裁判で国の過失が認められ、罰則のあった義務接種は努力義務になり、集団接種は個別接種になりました。個別接種になって保護者の意思を尊重する一方、「定期接種であるのを知らなかった。病気はかかったほうが免疫がつくのでよい。」など情報が入りまじり、接種率は以前より低下しているようです。

 予防接種で重大な後遺症を残しますと社会問題になります。反対にワクチンで防げるはずの病気になって後遺症をのこしても運が悪いとなるようです。なかには肺炎球菌による髄膜炎になった子供の保護者がその後ワクチン接種を啓蒙したこともあります。

 基本的には良いワクチンだけが残っていると思いますので、予防接種の光と影を経験してきた私は推奨しています。各ワクチンについてご不明な点があればご相談ください(平成30年4月)。

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